田名網敬一の展覧会が神奈川・川崎市市民ミュージアムで

「コレクション展 田名網敬一の楽園 空中回廊」が、神奈川県の川崎市市民ミュージアム アートギャラリー2・3にて開催される。期間は2019年7月9日(火)から8月25日(日)まで。観覧無料。

マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)やアディダス オリジナルス(adidas Originals)などファッションブランドとのコラボレーションも積極的に行う現代芸術家・田名網敬一。「コレクション展 田名網敬一の楽園 空中回廊」では、1970年代後半から90年代にかけての作品を中心とした約110点を展示する。

田名網は80年代後半から90年代にかけて、60年代と70年代に探求したポップスタイルから脱却し、「生と死」や「夢・記憶」をテーマにした作品を数多く手掛けた。この時代の作品には、戦争により飽和状態に達していた幼少期の記憶や、大病を患った時に見た幻覚から霊感を得た奇異なモチーフが、鮮やかな色彩で描かれている。

松や鶴といった吉祥的なモチーフと、それらを取り巻く不穏な色彩や構図。このように相反するものが同居し混在する作品は、戦時中に田名網の脳裏に焼き付いた残酷なイメージと、その異様な美しさを再構築させる試みといえる。

「コレクション展 田名網敬一の楽園 空中回廊」では、川崎市市民ミュージアムが収蔵する田名網作品のうち、田名網の私的な記憶や夢に登場するモチーフが描かれた連作《夢・四十九夜》や、これまでまとまって展示される機会が少なかった《ハリウッド・スターダスト》シリーズ18点を一挙公開。

作品に散りばめられた作家の“原風景”ともいえるイメージと、現在の創作活動にも通じる“コラージュ”の技法を用いた作品を観賞することができる。

グラフィックデザインの製版技術等を用いて制作された実験映像作品3点も全編公開。映像に現れる戦時中のイメージや、図像化された作家自身の記憶の断片に注目したい。

その他、70年代後半から90年代にかけて制作されたポスター・版画作品、一連の立体作品などを展示し、田名網の“記憶”を辿る。

コレクション展 田名網敬一の楽園 空中回廊
会期:2019年7月9日(火)~8月25日(日)
休館日:毎週月曜日、7月16日(火)、8月13日(火) ※7月15日、8月12日は開館
会場:川崎市市民ミュージアム アートギャラリー2・3
住所:神奈川県川崎市中原区等々力1-2(等々力緑地内)
開館時間:9:30~17:00(入場は閉館の30分前まで)
※夏休み期間の土曜日(7月20日・27日・8月3日・10日・17日)は19:00まで開館延長(入場は閉館の30分前まで)

「ハイプビースト」とPwCコンサルが共同でストリート市場の調査レポ

ストリートファッションメディア「ハイプビースト(HYPEBEAST)」と、PwCコンサルティング(PwC CONSULTING)の戦略部門のストラテジー&(STRATEGY&)は共同で、ストリートウエア市場とその消費者を対象に調査を行い、5月23日にその結果をまとめたリポート「Streetwear Impact Report(ストリートウエアがファッションシーンに及ぼす影響)」を発表した。

同調査は英語、フランス語、韓国語、日本語などの言語で実施し、計4万960人が回答した。レポートは調査結果のほかに、業界のリーダーとして藤原ヒロシやアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=リモワ(ROMOWA)最高経営責任者(CEO)、現代アーティストのダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)、オンライン商品取引市場ストックX(StockX)のジョシュ・ルーバー(Josh Luber)共同創業者兼CEOらとのインタビューを掲載している。

回答が最も多かった世代はジェネレーションZで、16〜20歳が全体の33.9%、21〜25歳が全体の28.9%だった。回答者の国籍は韓国が最も多く、次に中国、アメリカ、日本が続き、「ハイプビースト」の読者層と読者が多い地域を反映した結果となっている。

レポートは全4章で構成されており、エンリケ・メネンデス(Enrique Menendez)とアクセル・ニシュケ(Axel Nitschke)博士が執筆。ストリートファッションを取り巻くカルチャーの定義から、ストリートウエア市場の消費者行動、ストリートウエアブランドが多く採用しているDtoCモデルの消費者とのコミュニケーションや構造などについて細かく調査している。

第2章の“Measuring Streetwear(ストリートウエアを計測する)”では、ストリートウエア市場の消費者の属性や消費傾向、地域ごとの分析を掲載している。1カ月あたりのストリートウエアにかける平均金額で韓国と中国がトップだった一方、日本はストリートウエアの商品1点あたりにかける平均金額が最も高かった。全体ではストリートウエアの商品1点あたりにかける平均金額は100〜300ドル(1万〜3万2000円)が最も多い価格帯だった。回答者が1カ月あたりのストリートウエアにかける金額はストリートウエア以外のファッションアイテムにかける金額よりも平均で5倍で、ストリートウエアの中で1番欲しいアイテムはスニーカー62%とトップで、続いてTシャツ、フーディー、アクセサリーが挙がった。

同調査はジェネレーションZがインクルーシビティー(多様性の受容)への関心が高いことを受けて、回答時に男性と女性のほか、どちらでもないノンバイナリー(nonbinary)という選択肢も用意した。ノンバイナリーを選択した回答者は男性または女性を選んだ回答者よりも平均消費額が著しく高かった。ニューヨークではジェンダーニュートラルを掲げたセレクトショップ、フルイド・プロジェクト(THE PHLUID PROJECT)や「ワン ディーエヌエー(ONEDNA)」といったブランドが頭角を現し、カニエ・ウェスト(Kanye West)の「イージー(YEEZY)」の存在や「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」が1月にローンチしたユニセックスライン“For All”もこの流れを汲んでいるといえるだろう。

レポート内ではストリートカルチャーのアイコンとして藤原ヒロシがインタビューに参加しているが、回答者が最も「ストリートウエア市場で信頼できる存在」として選んだのはミュージシャンで65%、次いで業界人が52%、現代アーティストが45%、SNSインフルエンサーは32%だった。

シーズンにとらわれず好きな時に商品を発売する“ドロップ”は、ストリートウエア市場ならではの発売方法だ。“ドロップ”の代表格といえば「シュプリーム(SUPREME)」だが、もともとは「ア ベイシング エイプ(R)(A BATHING APE(R))」「ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)」「グッドイナフ(GOODENOUGH)」といった日本ブランドが1990年代から採用していた発売方法でもある。“ドロップ”は高い需要と熱狂を生み出すのに貢献しているだけでなく、ストリートウエア市場の消費者が実店舗で買い物を続ける理由にもなっているようだ。回答者の53%が、ブランドの実店舗がストリートウエアの1番の購入先であると回答している。また、“ドロップ”アイテムを手に入れるにはほぼ避けられない“並び”については、回答者の半数以上が商品購入のために並ぶ意欲があると答えた。

とはいえ、“ドロップ”を逃してしまっても「ストックX(StockX)」や「グレイルド(Grailed)」といったリセール市場がある。自身が持っているアイテムのうち、リセールで買ったものは4分の1以下と答えたのは全体の70%。言い換えるなら、自身の持っているアイテムのうち4分の1以上をリセール市場で購入したものという回答者が30%いたということだ。

リポートは「ストリートウエア市場が盛り上がっている1番の原動力はその精神」と結論づけている。70%の回答者が、ストリートウエアが好きな理由は「クールだから」と回答した。「ソール コレクター(Sole Collector)」や「ベイプトーク(BapeTalk)」といったオンラインフォーラムやSNSがストリートウエアコミュニティーの絆を強め、ストリートウエアが「クールだ」という定義づけに多く貢献してきた。「どこでストリートウエアのスタイリングまたはアイテムのインスピレーションを得るか」という質問には、88%の回答者がSNSを選択し、また96%の回答者がストリートウエアの情報を集めるのにインスタグラムを使うと回答している。しかし、SNS上でのプレゼンスがストリートウエアと関係が深いと考える回答者は31%で、それよりも社会問題(70%)やブランドの行動(59%)が重要だと考えているという結果となった。

「ランコム」が仮面舞踏会を開催 大人の社交場で見つける運命のリップ

「ランコム(LANCOME)」は11月2日、新発売の“最高にセンシュアル”なシェードのリップコレクション「ラプソリュ ルージュ」の発売記念イベントとして、仮面舞踏会「マスカレード ナイト~ラプソリュ ルージュ~」を東京・西麻布のオーベルジュ・ド・リル トーキョーで開催した。「ラプソリュ ルージュ」は1990年の登場以来、ブランドを象徴してきたシグニチャーリップで、54色のカラーバリエーションと3つのテクスチャーが特徴。イベントにはリップの色数にちなんだ54人のゲストを招待し、事前に千吉良恵子ヘア&メイクアップアーティストが54色から選んだ、ゲストそれぞれに一番似合う”運命の一本”を招待状とともに届けるサプライズも。その”運命の一本”をまとったゲストたちが仮面を付け、フューシャピンクに染まった舞踏会会場に来場。フォトブースやルーレットで大人の社交場での楽しい時間を満喫した。さらには、人気占い師イヴルルド遥華が登場し、2017年の運勢を“愛の象徴”である唇にまつわるストーリーとともに発表すると、会場は大いに盛り上がりをみせた。終盤には仮面を付けた男性が登場し、社交ダンスが繰り広げられ、自分だけの”運命の一本”をまとったゲストの大人の女性のセンシュアルさにあふれた舞踏会の長い夜が続いた。

今回自分だけの”運命の一本”を54人のゲストに選んだ千吉良ヘア&メイクアップアーティストは、「ラプソリュ ルージュ」の魅力を、「自分に一番似合う色を豊富なカラーから選べるというだけでなく、その質感の違いを楽しめるのがいい」と絶賛。54人にそれぞれ違う色を選ぶにあたり、ゲストのインスタなどから普段のファッションやライフスタイル、髪型や肌色などを多角的にチェック。「この人だったら、この色楽しんでくれるかな、とか、逆にこの色挑戦してほしいな、という感じで選びました。あんまり迷いはなかったですよ」と笑顔。「“最高にセンシュアル”な唇を作るには最適のリップ。唇はパーツの中でも一番品格が出る部分。リップブラシで丁寧につけるのもおすすめで、ちょっと丸みを帯びた雰囲気を演出すると品がアップしますよ」とアドバイスも。